【壊れない作業道シリーズ⑬】岩盤掘削施工|時間はかかるが崩れにくい道をつくる
【壊れない作業道シリーズ】
① 基本
② なぜ道が壊れるのか
③ ルート選定
④ 縦断勾配
⑤ 横断勾配
⑥ 切土・盛土
⑦ 排水
⑧ 洗い越し
⑨ ヘアピンカーブ
⑩ 木組み
⑪ 抜根
⑫ 支障木伐採
⑬ 岩盤掘削施工
森林作業道を施工していると、
土砂だけではなく岩盤に当たることがあります。
今回の現場では、
ヘアピンカーブ出口側の山側が岩盤質だったため、
バックホーとエンジン式コンクリートブレーカー
(以下、ブレーカー)を併用して掘削を行いました。
岩盤掘削は時間も手間もかかりますが、
完成後は非常に安定した作業道になります。
今回は、その施工方法と岩盤地盤ならではのメリットについて紹介します。
今回の現場
ヘアピンカーブ出口側で岩盤が出現
今回の現場では、
ヘアピンカーブの出口側で岩盤が露出していました。
岩盤はバックホーだけでは掘削できないため、
バックホー・ブレーカー・ツルハシを組み合わせながら施工を進めました。
まずはバックホーで削る
最初にバックホーを使って岩盤を削っていきます。
使用するのは、
- ツメ
- サイドカッター
- 排土板
です。
風化が進んだ部分や比較的軟らかい箇所であれば、
バックホーだけでも掘削できます。
しかし岩質が硬くなるとツメが立たず、
掘削が進まなくなります。
その場合は無理に掘り進めず、
ブレーカーによる破砕作業へ移ります。
削れない岩はブレーカーで砕く
バックホーで削れない岩は、
ブレーカーを使って破砕します。

ブレーカー作業を行う間、バックホーは先行して作業道を延伸。人と機械を止めないことで施工効率を高めている。
※撮影時のみ保護具を外しています。実際の作業では保護メガネ、イヤーマフ、防振手袋等を着用して施工しています。
ブレーカーは強力な打撃力で岩を破砕できますが、
作業者への振動負荷も大きいため注意が必要です。
今回は4人で交代しながら作業を行い、
身体への負担を分散しながら施工しました。
人力のツルハシも有効

※撮影時のみ保護具を外しています。実際の作業では保護メガネ、イヤーマフ、防振手袋等を着用して施工しています。
ブレーカーで割れ目を入れた後は、
ツルハシによる人力作業も有効です。
特に
・ブレーカーで割れ目ができた高所の破砕
・法面形状の微調整
・岩片の除去
などでは重機より効率よく施工できる場合があります。
現場の工夫|行き詰まったら別の角度から攻める
今回の現場では、
バックホーがヘアピンカーブを抜けた先まで進んだ状態で
岩盤掘削を行いました。
一方向から掘削を続けるよりも、
一度通り抜けてから別の角度で作業した方が
効率的な場合があるためです。
これは岩盤掘削だけではありません。
・谷側道ぎわに立木が残る箇所の盛土転圧
・大きな根株の抜根
などでも同じことがあります。
現場では目の前の障害物にこだわりすぎず、
一度やり過ごして別の角度から攻めた方が
状況を打開できることが少なくありません。
また今回の施工では、
ブレーカーによる破砕作業を進めている間に、
バックホーは先行して作業道の延伸を進めました。
人と機械を止めず、
それぞれができる作業を同時に進めることで、
施工全体の効率を高めています。
施工技術だけでなく、作業手順や人員配置の工夫も
壊れない作業道づくりを支える重要な技術です。
なぜ時間をかけてでも岩盤を掘るのか
岩盤掘削は通常の土砂地盤に比べると施工時間がかかります。
バックホーだけでは削れないため、
・バックホーで削る
・ブレーカーで砕く
・ツルハシで仕上げる
という工程が必要になるためです。
しかし岩盤は完成後に非常に安定した地山になります。
土砂法面は雨水の浸透や浸食によって弱くなることがありますが、
岩盤法面は浸食されにくく、長期間安定した状態を維持できます。
私たちは施工速度よりも、
10年後、20年後も使い続けられる道づくりを重視しています。

ヘアピンカーブとの相性
ヘアピンカーブでは、
どうしても切土高さが高くなる箇所があります。
土砂地盤であれば、
高い切土法面を安定させるために
裏積み工などの施工が必要になる場合があります。
一方、岩盤地盤では
適切に掘削された岩盤法面そのものが安定した構造となるため、
追加の構造物を必要としない場合があります。
これは施工コストだけでなく、
将来の維持管理コストの削減にもつながります。
まとめ
岩盤掘削は、バックホーだけでは進まないため、
ブレーカーやツルハシを併用しながら施工します。
施工には時間と手間がかかりますが、
完成後は浸食や崩壊が起こりにくく、
長期間安定した作業道になります。
目の前の施工効率だけではなく、
10年後・20年後の維持管理まで考えて施工することが、
壊れない作業道づくりの基本です。
事務局 久保谷
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