【壊れない作業道シリーズ②】岩を避ける木組み工法|自伐型林業の現場施工
【壊れない作業道シリーズ】
① 基本
② 木組み
③ 排水
④ ヘアピンカーブ
⑤ 洗い越し
⑥ 抜根
⑦ ルート選定
作業道を安全に通すための現場の工夫
山の作業道づくりでは、大きな岩などの「動かせない障害物」に出会うことがあります。
そのような場所で無理に岩を取り除いたり、大きく地形を削ると、土砂崩れや作業道の崩壊につながることがあります。
今回の現場では、山側に大きな岩があり、通常の作業道ルートをそのまま通すことができませんでした。
そこで採用したのが「木組み工法」です。
丸太を組んで土留め構造を作り、谷側に道幅を安全に張り出すことで、岩を避けながら安定した作業道を確保しました。
この記事では、実際の施工写真とともに、現場で行った木組み工法の施工方法を紹介します。
施工前の状態(ビフォー)

この場所には
山側に動かせない大きな岩がありました。
そのため
・山側へ道を寄せられない
・掘削して道を広げることも難しい
という条件でした。
そこで
谷側へ少し張り出す形で作業道を作ることにしました。
しかし、ただ盛土をするだけでは傾斜が急なので
土が崩れてしまう可能性があります。
そのため必要になるのが
木組みによる土留め構造です。
木組み施工後(アフター)

谷側の斜面に
丸太を4段組んで土留めをつくりました。
丸太が支えとなることで
・盛土が安定する
・斜面の崩れを防ぐ
・道幅を確保できる
ようになります。
このように
地形の制約に合わせて道を通す工夫が
作業道づくりでは重要になります。
木組み工法とは
木組み工法は、丸太を横木と桁で組み合わせて土留め構造をつくり、谷側に盛土を支える施工方法です。
自伐型林業の作業道では、以下のような場面で使われます。
・大きな岩や地形で山側を削れない場所
・谷側に少しだけ道を張り出したい場所
・土砂崩れを防ぎながら道幅を確保したい場所
丸太は地山にしっかり固定し、その上に土を盛ることで、自然素材を使った安定した構造になります。
重機による大規模な擁壁を作らなくても、安全に道幅を確保できるのが特徴です。
木組み工法の基本構造|断面図で解説

構造は次のようになっています。
① 桁(道に対して並行に置く丸太)
② 横木(道に対して直角に置く丸太)
③ 盛土
施工手順は次のとおりです。
① 重機による桁を置く位置の転圧
② 桁を設置
③ 横木を設置(約1m間隔)
④ 横木と桁をクギで連結
⑤ 盛土
⑥ ②~⑤の繰り返し
(次の桁と前の横木もクギで連結)
前段の桁と次の桁は丸太1本分内側にずらします。
この組み合わせによって斜面を支えています。
(写真は一番上の桁が曲がっていて
手前の横木と付いていませんが、
この現場では次の木組みと
カーブしながらつなげたので
問題はありません)
木組み施工のポイント
木組み工法で重要なのは、単に丸太を置くだけではなく、地山との一体化を意識することです。
今回の施工では次の点を意識しました。
・一番下の桁は地山に食い込ませて設置する
・横木は動かないように安定した位置に固定する
・盛土はしっかり締め固めながら施工する
これらを守ることで、長期間安定した構造になります。
木組み工法のメリット
木組み工法には次のようなメリットがあります。
地形を壊さない
岩や地形を無理に削る必要がありません。
施工規模が小さい
大型機械がなくても施工できます。
自伐型林業に適している
小規模で持続可能な道づくりが可能です。

実はその先にも右に動かせない岩があり
5段の木組みで道を張り出してます
当初2m未満の道が木組みで2.2mになりました
地形を活かした道づくり
自伐型林業の作業道づくりでは
- 山を大きく削らない
- 地形を活かす
- 森林への負荷を減らす
ことを重視しています。
木組み工法は
地形と共存する道づくり
の代表的な技術です。
まとめ
今回の現場では、山側にある大きな岩を避けるために、木組み工法を用いて作業道を施工しました。
自伐型林業では、
地形に逆らわず、自然を壊さない道づくりが大切です。
これからも、現場での技術や工夫を紹介していきます。
事務局 久保谷
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