【壊れない作業道シリーズ④】ヘアピンカーブ施工|急傾斜地で壊れない道をつくる技術
【壊れない作業道シリーズ】
① 基本
② 木組み
③ 排水
④ ヘアピンカーブ
⑤ 洗い越し
⑥ 抜根
⑦ ルート選定
急傾斜地で森林作業道を開設する場合、
斜面を安全に登るために欠かせない技術が
ヘアピンカーブ です。
ヘアピンカーブを適切に施工することで
・急傾斜地でも安全に通行できる
・崩れにくい路体になる
・森林施業の効率が上がる
といった大きな効果があります。
この記事では、
実際の施工写真をもとに
壊れない作業道ヘアピンカーブの作り方
を解説します。
ヘアピンカーブとは

ヘアピンカーブとは、
急傾斜の山を登るために道路を大きく折り返す構造のカーブです。
森林作業道では
- 急傾斜地
- 尾根地形
- 山腹
などで使われます。
急傾斜地では直線で登ると勾配がきつくなるため、
ヘアピンカーブを連続させて高度を上げていきます。
作業道にヘアピンカーブが必要な理由
森林作業道は、山の等高線に沿って緩やかな勾配で設置します。
しかし急傾斜地では、
・尾根や谷の地形
・地山の傾斜
・運搬車両の勾配制限
などの条件から
途中で方向転換する必要があります。
この時に設置するのが
ヘアピンカーブ(折り返しカーブ)
です。
作業道では
・軽トラック
・林内作業車
が通行できるカーブ半径が必要です。
一般的に6m以上が目安とされています。
ヘアピンカーブ施工の重要ポイント
壊れない作業道にするためには
次のポイントが重要です。
① 安定した地形を選ぶ
ヘアピンカーブは
- 尾根地形
- 地盤が安定した場所
に設置することが基本です。
② カーブ半径を見極める
ヘアピンカーブで最も重要なのは カーブ半径の見極めです。
半径が小さいと
- 車が曲がれない
- 路肩を踏み外す
- 路面を削る(ドリフト走行)
といった問題が起きます。
目安として
軽トラックが通る作業道なら
傾斜の角度にもよりますが
半径 6〜7m程度
が理想です。
逆にカーブ半径が大きすぎると傾斜がきつくなり
軽トラックのタイヤが空転して登れなくなります。
③ 盛土を安定させる
ヘアピンカーブでは
車両の荷重が谷側に集中します。
そのため路肩は
- 盛土だけに頼らない
- 土を締め固める
- 木組みや丸太補強を行う
など、崩れない構造を作る必要があります。
今回の施工でも
丸太による木組みを活用して
盛土を安定させています。
(30m手前で出た赤土も運びました)
これは自伐型林業の現場でよく使われる
低コストで効果の高い工法です。
④ 排水を確保する
作業道は
水が最大の敵
です。
ヘアピンカーブでは特に
- 路面排水
- 外側勾配(逆バンク)
- 分散排水
を確保することが重要です。
今回の作業道ヘアピンカーブ施工
施工前


この場所は
・安定した尾根
・急傾斜地
・狭い地形
・曲線が必要
という条件でした。
そのため
ヘアピンカーブで折り返す設計
としました。
施工中


施工では
・地山の切土
・谷側盛土
・路面高さ調整
を行いながら形を作ります。
重要なのは
完成路面高をイメージしながら施工すること
です。
完成したヘアピンカーブ

右側は木組みが入ってます

路面勾配で排水しています

ここにあった大量の土を下へ移動させました


完成した作業道は
・安定した路体(幅約2.5m)
・車両が安全に曲がれる線形
を確保しています。
ヘアピンカーブ施工のよくある失敗
- 勾配が急すぎる
- 排水がない
- 盛土が弱い
- カーブ半径が小さい
- 大量に出る土を下ろしきれてない
壊れない作業道をつくるポイント
自伐型林業では
長く使える作業道
を重視します。
そのため
・必要最小限の幅
・適切な排水
・地形を活かした線形
を基本に設計します。
急傾斜地でも
適切な設計と施工を行えば
壊れない作業道
をつくることができます。
まとめ
作業道ヘアピンカーブは
急傾斜地の道づくりで重要な技術です。
ポイントは
- 安定した地形を選ぶ
- カーブ半径を見極める
- 盛土を安定させる
- 排水を確保する
これらを守ることで
長く使える森林作業道
になります。
今後も作業道づくりの技術を
現場の事例とともに紹介していきます。
事務局 久保谷
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