【壊れない作業道シリーズ⑤】洗い越し施工|壊れない作業道の排水技術
【壊れない作業道シリーズ】
① 基本
② 木組み
③ 排水
④ ヘアピンカーブ
⑤ 洗い越し
⑥ 抜根
⑦ ルート選定
森林作業道を長く安全に使うために
最も重要なのが 排水設計 です。
山では必ず水が流れます。
水を適切に処理しないと
- 路面侵食
- 法面崩壊
- 作業道流出
などの原因になります。
そこで重要になるのが
洗い越し(あらいごし) という施工技術です。
この記事では実際の施工写真をもとに
・洗い越しとは何か
・なぜ必要なのか
・壊れない作業道にする施工ポイント
を解説します。
洗い越しとは?

洗い越しとは
沢の水を道路の上に流す構造
のことです。
通常の林道では
- 暗渠(パイプ)
- 橋
などで水を通しますが
自伐型林業の作業道では
洗い越し構造を使います。
理由はシンプルです。
洗い越しは
- 壊れにくい
- 詰まりにくい
- 維持管理が容易
- 施工コストが低い
という特徴があるためです。
なぜ洗い越しが必要なのか
山の中では必ず水が流れます。
特に
- 沢
- 水みち
- 谷地形
では
大量の水が集まります。
ここで排水設計を誤ると
- 路面侵食
- 路体崩壊
- 道路流出
につながります。
そのため
作業道づくりでは
「水をどう逃がすか」
が最も重要な設計になります。
洗い越し施工の基本設計
洗い越し施工では
以下のポイントが重要です。
① 沢を直角に横断する
水の流れに対して
作業道は できるだけ直角に入れます。
斜めに横断すると
水が道を削る原因になります。
② 路面を低く設計する
沢の位置では
路面を少し低く
します。
これにより
大雨の際でも
水が自然に道の上を流れます。
③ 路面を石で安定させる
洗い越し部分では
- 石
- 砕石
- 転圧
を行い
路面を強固にします。
これにより
流水による侵食を防ぎます。
洗い越し施工前

沢の位置を確認しながら
作業道のルートを決めます。
作業道づくりでは
- 地形(勾配)
- 水の流れ
- 土質
をよく観察することが重要です。
洗い越しの施工

暗渠ではなく洗い越し構造を採用しました。
水が路面上を流れる構造にすることで
詰まりによる路体破壊を防ぎます。
この場所では
沢を横断するため
暗渠ではなく洗い越し構造
を採用しました。
洗い越しのポイントは
・沢を直角に横断
・路面を少し低くする
・石で路面を安定させる
ことです。
大雨のときは大量の水が道の上を流れますが、
水が引けばすぐに通行できる状態になります。
(水深は5~20cm)
洗い越しのメリット
洗い越しは
- 壊れにくい
- 施工が簡単
- 維持管理が容易
という特徴があります。
橋や暗渠と違い
詰まりや破損が起きにくいのも利点です。
洗い越しを設置する場所
洗い越しは主に
- 小さな沢が道を横切る場所
- 雨水が集まりやすい谷地形・水みち
- 山側から湧き水が出る場所
などに設置されます。
洗い越しの失敗例
設計を誤ると
- 路面侵食
- 水たまり
- 路体崩壊
が起こります。
原因は
- 勾配不足
- 石不足
- 水の流れを読めていない
ことです。
洗い越しと橋・暗渠の違い
| 構造 | 特徴 |
|---|---|
| 洗い越し | 壊れにくい |
| 暗渠 | 詰まりやすい |
| 橋 | コスト高 |
洗い越し施工の事例②



通常は水の流れていない谷地形ですが、
これも洗い越し施工です。
沢に向かって直角に道を入れ、
沢の位置では路面を低くして
大雨の際には水が道の上を流れます。
下流側には大きな石を配置して
土の流出防止と路面の安定を図っています。
壊れない作業道づくり
森林作業道は
作って終わりではありません。
大切なのは
- 水を読む
- 地形を読む
- 土質を読む
ことです。
適切な排水構造を設けることで、
作業道は長く安全に使うことができます。
まとめ
洗い越しは
壊れない作業道をつくるための
重要な技術です。
水の流れを読み、
自然の力を利用することで
長く使える作業道をつくることができます。
事務局 久保谷
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