【山の木を活かす①】伐って終わりにしない|支障木のコナラが一枚の板になるまで

森林作業道を施工していると、
ルート上に支障木となる広葉樹を伐採することがあります。

私たちは、
その木を単なる伐採木として扱うのではなく、
薪、ホダ木、板材、炭、家具など、
さまざまな形で活かしていくことも森づくりの一部だと考えています。

木を育てることと、
木を活かすことは、
本来ひと続きの営みです。

「山の木を活かす」シリーズでは、
山から生まれた木の新しい価値や利用方法、
そして木と最後まで向き合う楽しさを、
現場からお伝えしていきます。


支障木だったコナラ

森林作業道の施工現場に残るコナラの根株とバックホー
森林作業道の施工に伴い、ルート上のコナラを支障木として伐採しました。

今回のコナラは、森林作業道のルート上にあり、
施工のため伐採が必要となった木です。

伐採後、別の施業地で伐採したコナラとあわせて

・1.4m材を5本
・2.2m材を4本

に造材しました。

いずれも軽トラックで運搬できる長さです。

自伐型林業では、
大規模な設備に頼らなくても、
身近な道具や技術を組み合わせながら、
地域の木を活かしていくことを大切にしています。


小型製材機で板材へ

小型製材機に載せたコナラの丸太
伐採したコナラを小型製材機に載せ、一本ずつ板材にしていきます。
小型製材機で製材中のコナラ
小型製材機でコナラを製材している様子。丸太の形やコナラ特有の木目を活かした板にしていきます。

丸太を一本ずつ製材機に載せ、
曲がりや木目を見ながら木取りを行いました。

製材すると、
丸太の外からは想像できなかった表情が現れます。

年輪の細かな模様、
淡い黄褐色の色合い、
そして耳付き板ならではの自然な曲線。

一本一本が違う表情を持ち、
同じものは二つとしてありません。


支障木が板になった

製材した複数のコナラの板材
作業道の支障木だったコナラが、木目や自然な形を残した板材になりました。

製材後の板を見ると、
これが作業道の支障木だったとは思えません。
山で育った木の形がそのまま板に表れています。

棚板やベンチ、テーブルの天板、
カウンター材などにも使えそうな、
味わいのある材になりました。

支障木として伐採された木も、
見方を変えれば、
新たな価値を持った地域資源になります。


コナラという木の特徴

コナラは、
ブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。

日本の里山を代表する樹種の一つで、

・薪
・シイタケのホダ木
・炭
・家具材
・床材

など、
昔からさまざまな用途で利用されてきました。

材は重く硬く、
耐摩耗性にも優れており、
使い込むほどに味わいが増す木です。


コナラは乾燥が難しい

一方で、
コナラは乾燥の難しい樹種でもあります。

特に、

・反り
・曲がり
・ねじれ
・割れ

といった狂いが出やすく、
一般的にはミズナラよりも動きやすいと言われています。

今回の板も、
これから乾燥する過程で、
少しずつ表情が変わっていくと思います。

広葉樹の製材は、
丸太を板にして終わりではありません。

ゆっくり乾燥させ、
木が落ち着くまで待つ。

その時間も含めて、
木と付き合っていく楽しさがあります。


山の木を最後まで活かす

森林作業道づくりでは、
時には木を伐採しなければなりません。

しかし、
その木を単なる「邪魔な木」で終わらせるのではなく、

薪として使う。
ホダ木として使う。
板材として使う。

その木が持っている価値を、
できるだけ最後まで活かしていく。

それも、
私たちが大切にしたい森との関わり方です。

作業道の支障木だった一本のコナラが、
これからどのような形に生まれ変わっていくのか。

その変化も楽しみながら、
山の木を活かしていきたいと思います。


この記事の執筆・監修

久保谷 幸雄|林業家
一般社団法人 安芸太田町自伐型林業を推進する会 監事

広島市出身。2020年から自伐型林業に取り組み、2022年に脱サラして専業の林業家に。広島県安芸太田町を拠点に、森林作業道づくり、間伐、伐倒・造材・搬出、森林資源の活用を実践しています。

自伐型林業歴:6年|森林作業道の作設実績:6,500m超(2026年9月現在)
愛機:STIHL MS 500i/MS 201 C-M

山の木を活かすシリーズ

一本の木を、どこまで活かせるか。

① 製材編|コナラを板材として活かす
② ホダ木編|コナラをシイタケ原木として活かす
③ 炭焼き編|コナラとヤマザクラを木炭として活かす
④ 枝利用編|ヤマザクラとコナラの枝を手すり・道具の取っ手として活かす
⑤ 雪害木編|チェーンソーミルで山の木を柱や梁などの構造材として活かす
⑥ 薪編|出荷できないヒノキも燃料として活かす
⑦ 萌芽更新編|ミズナラを伐って、使って、また育てる
⑧ 森林循環編|立ち枯れ木を森へ還す
⑨ 薪づくり編|支障木のミズナラとリョウブを薪として活かす
⑩ 製材編②|チェーンソーミルと特注ガイドで雪害木のスギを板にする

同じ一本の木でも、太さや形、品質によって活かし方は変わります。

私たちは、山で育った木をできる限り無駄なく活かし、
森の価値を未来へつないでいきたいと考えています。

作業道づくりや森林管理に関心のある方へ

山林の管理や森林整備についてのご相談を受け付けています。

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