【山の木を活かす⑥】出荷できないヒノキも無駄にしない|薪として最後まで活かす森林資源
市場へ出荷できない部分にも、活かせる価値があります
先日、森林整備で伐採したヒノキなど73本を木材市場へ出荷しました。
しかし、一本の木のすべてが木材になるわけではありません。
曲がりや二股、大きな節、キズなどがある部分は、木材としては出荷できません。
だからといって、それらに価値がないわけではありません。
私たちは、利用できるものは最後まで活かすことを大切にしています。

薪用原木として30〜35cmに玉切り
今回は、出荷できないヒノキを薪として利用できるよう、30〜35cm程度の長さに玉切りしました。
搬出には、自ら整備した森林作業道を利用し、軽トラックで少しずつ運び出しました。
大型機械が入れない山でも、小規模な森林作業道があることで、木材だけでなく、このような資源も効率よく搬出できます。



ヒノキは薪として使える?
薪ストーブでは、一般的にコナラやクヌギなどの広葉樹がよく使われます。
広葉樹は密度が高く、火持ちが良いため、長時間安定した熱を得られるからです。
一方、ヒノキなどの針葉樹は燃焼が早く、長時間の燃料にはあまり向きません。
しかし、
- 火起こし
- 焚き付け
- 広葉樹へ火を移す最初の燃料
としては非常に使いやすく、ヒノキ特有の爽やかな香りも楽しめます。
用途に応じて使い分けることで、針葉樹も十分に活用できます。

森林資源を地域で循環させる
今回搬出した薪原木は、森林整備にご協力いただいている山主さんの薪ストーブ用として活用していただく予定です。
木材市場では価値が付かない部分でも、地域で薪として利用すれば、化石燃料の使用を減らし、森林資源を地域内で循環させることにもつながります。
一方で、細い枝や利用できない端材は無理に搬出せず林内へ残します。
それらは時間をかけて分解され、土へ還り、微生物や昆虫など多くの生きものを支えながら、再び森林の養分となります。
利用するものは活かし、森へ返すものは森へ返す。
その積み重ねが、持続可能な森林づくりにつながります。

一本の木を、最後まで活かす
一本の木には、建築材になる部分もあれば、薪として活かせる部分もあります。
市場へ出荷できないからといって、価値がなくなるわけではありません。
木の特徴に合わせて用途を選び、できる限り無駄なく活用すること。
それも、自伐型林業が目指す「山の木を活かす」取り組みの一つです。
この記事の執筆・監修
久保谷 幸雄|林業家
一般社団法人 安芸太田町自伐型林業を推進する会 監事
広島市出身。2020年から自伐型林業に取り組み、2022年に脱サラして専業の林業家に。広島県安芸太田町を拠点に、森林作業道づくり、間伐、伐倒・造材・搬出、森林資源の活用を実践しています。
自伐型林業歴:6年|森林作業道の作設実績:6,500m超
愛機:STIHL MS 500i/MS 201 C-M
山の木を活かすシリーズ
一本の木を、どこまで活かせるか。
① 製材編|コナラを板材として活かす
② ホダ木編|コナラをシイタケ原木として活かす
③ 炭焼き編|コナラとヤマザクラを木炭として活かす
④ 枝利用編|ヤマザクラとコナラの枝を手すり・道具の取っ手として活かす
⑤ 雪害木編|チェーンソーミルで山の木を柱や梁などの構造材として活かす
⑥ 薪編|出荷できないヒノキも燃料として活かす
⑦ 萌芽更新編|ミズナラを伐って、使って、また育てる
⑧ 森林循環編|立ち枯れ木を森へ還す
⑨ 薪づくり編|支障木のミズナラとリョウブを薪として活かす
同じ一本の木でも、太さや形、品質によって活かし方は変わります。
私たちは、山で育った木をできる限り無駄なく活かし、
森の価値を未来へつないでいきたいと考えています。
山林をお持ちの方へ
・壊れにくい作業道は、山の価値を大きく左右します。
・作業道づくり・森林整備のご相談を受け付けています。
林業を始めたい方へ
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