森を壊さず、100年先まで使い続けるための道づくり

壊れない作業道とは、山の地形に逆らわず、
水を安全に逃がしながら、長期間維持できる森林作業道です。

幅を抑え、切土を小さくし、適切に排水することで、
森林への負荷を減らします。

自伐型林業では、100年先の森を育てるために、
長く使い続けられる作業道づくりを重視しています。

なぜ作業道は壊れるのか

森林作業道が壊れる最大の原因は、
水の流れを適切に処理できていないことです。

幅を広げすぎた道、谷を埋めた道、
急傾斜を直線的に登る道では、
雨水が集中し、路面侵食や法面崩壊が起こりやすくなります。

壊れない作業道では、地形を読み、
水を分散させながら、山への負荷を小さく抑えます。

壊れない作業道の3つの考え方

① 山を削りすぎない

壊れない作業道では、 必要以上に山を大きく削りません。

道幅を最小限の2.5m程度に抑え、 地形に沿って施工することで、 斜面への負荷を減らします。

特に重要なのは、 「切土を高くしすぎないこと」です。

大きく削った斜面は崩れやすくなり、 雨によって崩壊する原因になります。

私たちは、 山に無理をさせない施工を重視しています。


② 水を集めない

作業道が壊れる最大の原因は「水」です。

雨水が路面を流れ続けると、 路面侵食・路肩崩壊・ぬかるみなどが発生します。

そのため壊れない作業道では、

  • 路面勾配
  • 横断排水
  • 洗い越し
  • 地形を利用した分散排水

によって、 水を一箇所に集めない構造をつくります。

「水を制すること」が、 壊れない道づくりの核心です。


③ 長く使い続ける

壊れない作業道は、 短期間だけ使う道ではありません。

10年、20年、50年と、 繰り返し使いながら森を育てるための道です。

そのため、

  • 地形に逆らわない
  • 急勾配を避ける
  • 無理な直線施工をしない

といった基本を大切にしています。

道を長く残せることで、 長伐期多間伐による持続的な森づくりが可能になります。

なぜ幅約2.5m以下なのか

壊れない作業道では、 幅約2.5m以下の小さな道を基本としています。

道幅を必要以上に広げると、

  • 切土量が増える
  • 盛土が不安定になる
  • 雨水が集まりやすくなる
  • 森林へのダメージが大きくなる

など、崩壊リスクが高まります。

小さな道にすることで、 森林への影響を最小限に抑えながら、 必要な施業を行うことができます。

「小さい道だからこそ、山を守れる」

それが自伐型林業の考え方です。

壊れない作業道

自伐型林業では
幅2.5m以下・切高1.4m以下の作業道を
小型重機で施工します。

排水を重視し、
山の地形に沿って設計します。

一般的な作業道との違い

一般的な道壊れない作業道
幅が広い幅約2.5m以下
急勾配が多い地形に沿う
水が集まりやすい分散排水
短期間利用長期利用
大規模伐採向け長伐期多間伐向け
山を大きく削る最小限施工

壊れない作業道が守るもの

壊れない作業道は、 単に「壊れにくい道」ではありません。

  • 森を守る
  • 水を守る
  • 土を守る
  • 生きものを守る
  • 地域の暮らしを守る

ための技術です。

道が変われば、 森の未来も変わります。

私たちは、 100年先まで続く森づくりを目指して、 壊れない作業道づくりに取り組んでいます。

関連記事:壊れない作業道シリーズ

① 森林作業道の基本|自伐型林業の道づくり

② 岩を避ける木組み工法|自伐型林業の現場施工

③ 作業道排水の基本|壊れない道づくりの考え方

④ ヘアピンカーブ施工|急傾斜地で壊れない道をつくる技術

⑤ 洗い越し施工|壊れない作業道の排水技術

⑥ 抜根技術|根の性質を読むことで作業効率は劇的に変わる

⑦ ルート選定|壊れるかどうかは8割ここで決まる

⑧ なぜ道が壊れるのか|崩壊する作業道には必ず原因がある

⑨ 支障木伐採|谷側へ傾いた木を安全に倒す「牽引伐倒技術」

壊れない作業道で最も重要なのは「排水」

作業道は、単に車両が通るための道ではありません。

山の中で水を安全に流すための構造物でもあります。

路面に水を溜めず、横断排水や洗い越しを適切に配置することで、路面侵食や崩壊を防ぎます。

壊れない作業道では、「水をどう逃がすか」を最も重視しています。

森全体を活かす「路網設計」

自伐型林業では、単に一本の道をつくるのではなく、
森林全体を長期的に活かすための路網を考えます。

地形に合わせて必要最小限の作業道を配置することで、
山への負荷を抑えながら、繰り返し施業できる森を育てます。

壊れない作業道は「100年の森」を支える

壊れない作業道は、短期間だけ使う道ではありません。

10年ごとの多間伐を繰り返しながら、100年先の森を育てるための基盤となる技術です。

森を壊さず、水を守り、次世代へつなぐ。

それが、
自伐型林業の作業道づくりです。

まとめ

壊れない作業道は、森を壊さず、未来へつなぐための技術です。

一般社団法人 安芸太田町自伐型林業を推進する会では、
持続可能な森づくりに取り組んでいます。

壊れない作業道は、
森を壊さず未来へつなぐための技術です。

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