山の木を活かし、次の森へつなぐ
山から切り出した木を製材した板が、暮らしの中で活きる様子をご覧ください。(約10秒)
一本の木には、さまざまな活かし方があります。
私たちは広島県安芸太田町で、森林を育てながら、山の木をその状態や特徴に応じて活かし、次の森林へつないでいく取り組みを続けています。
森林作業道の開設や間伐などでは、木を伐採することがあります。
伐採した木は、製材して建築材や家具に利用したり、シイタケのホダ木、炭、薪、木工品などとして地域で活用したりすることができます。
一方で、「山の木を活かす」ことは、人が木材として使うことだけではありません。
伐採した後の根株から新しい芽を育てる萌芽更新や、利用に適さない枯死木などを森林内に残し、腐朽・分解を通じて森へ還していくことも、森林の循環の一つです。
ただし、すべての枯死木を残すということではありません。安全性や病虫害、周囲の森林の状態を確認しながら、一本一本の扱いを判断します。
使う。育てる。森へ還す。
このシリーズでは、安芸太田町の山で実際に取り組んでいる「山の木を活かす」さまざまな方法を紹介します。

山の木を活かす、3つの考え方
使う|木の価値を暮らしへ
製材、建築材、薪、炭、ホダ木、木工品など、その木の特徴を活かして利用します。
育てる|次の森林へつなぐ
萌芽更新など、木が持つ再生する力を活かし、次の世代の森林へつなげます。
森へ還す|自然の循環へ
森林に残す木は、倒木や枯死木として腐朽・分解され、生きものに利用されながら、長い時間をかけて森へ還っていきます。
シリーズ記事一覧
① 製材編|コナラを板材として活かす

森林作業道の支障木として伐採したコナラを搬出し、製材して一枚板に。山で育った広葉樹を板材として活かす取り組みを紹介します。
② ホダ木編|コナラをシイタケ原木として活かす

森林作業道の支障木として伐採したコナラを搬出し、原木シイタケのホダ木として活用。地域へつながっていく森林資源の利用を紹介します。
③ 炭焼き編|コナラとヤマザクラを木炭として活かす

支障木として伐採したコナラとヤマザクラを搬出し、炭窯で木炭に。曲がり材や小径木も活かす取り組みを紹介します。
④ 枝利用編|ヤマザクラとコナラの枝を手すり・道具の取っ手に

伐採した木の幹だけでなく枝も森林資源として活用。作業小屋の手すりや道具の取っ手として使った事例を紹介します。
⑤ 雪害木編|雪害木を柱や梁などの構造材として活かす

雪害で折れたり倒れたりした木を加工し、柱・梁・床・階段材として活用。使える部分を見極めながら木材として活かします。
⑥ 薪編|出荷できないヒノキを燃料として活かす

曲がりや二股などで木材市場へ出荷できないヒノキを薪に。森林作業道を使って搬出し、地域で使える燃料として活用します。
⑦ 萌芽更新編|ミズナラを伐って、使って、また育てる

支障木のミズナラをホダ木として活用し、根株では萌芽更新を試みます。木を使うことから次の森林へつなげる取り組みです。
⑧ 森林循環編|立ち枯れ木を森へ還す

安全確保のため伐採した立ち枯れ木の一部を森林内へ。枯死木や倒木が腐朽・分解され、森へ還っていく意味と、扱う際の注意点を紹介します。
⑨ 薪づくり編|ミズナラとリョウブを薪として活かす

雨で山に入れない日に、支障木のミズナラとリョウブを薪づくり。樹種による違いを確かめながら、地域で使える燃料にします。
⑩ 製材編②|チェーンソーミルで雪害木のスギを板にする

雪害木のスギをチェーンソーミルで約4mの板材に製材。特注ガイドを使った製材工程と、ロフト床や家具への活用を紹介します。
「使う・育てる・森へ還す」をこれからも
森林資源の活かし方は、一つではありません。
木材として使う木もあれば、薪や炭、ホダ木として地域で活かす木もあります。伐採後に萌芽更新で次の世代へつなぐ場合や、利用せず森へ還す木もあります。
大切なのは、すべての木を同じように扱うのではなく、一本一本の状態と森林全体を見ながら、その木を次へどうつなぐかを考えることです。
私たちはこれからも、安芸太田町の山での実践を通じて、さまざまな「山の木を活かす」方法を紹介していきます。